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【最終回考察】「攻撃」ではなく「救済」- 古代兵器の真の目的とは【ワンピース考察】
世界を滅ぼせる程の力があるとされる神の名を持つ古代兵器「プルトン」「ウラヌス」「ポセイドン」。ワンピース最終回において古代兵器は重要な役割を果たすであろう。以下では、個々の古代兵器の正体を探る前提として3つの古代兵器全体の目的について考察する。
古代兵器の伏線が描かれているエピソード
そもそも古代兵器は何の為に存在するのか。そのヒントはワンピース作中の至る所に隠されている。以下、ワンピース本編の記述より古代兵器の目的を探る。なお、古代兵器に関する伏線が描かれているのは主に以下の4つのエピソードである。
* 第1回プルトン編「アラバスタ」
* 第2回プルトン編「ウォーターセブン及びエニエス・ロビー」
* 第1回ポセイドン編「空島」
* 第2回ポセイドン編「魚人島」
古代兵器が「兵器」と呼ばれる理由
まず、「古代兵器」という名称についてであるが、「兵器」というからには「敵を攻撃する目的で作られたもの」と考えるのが一般的である。しかし、ワンピースにおいては「攻撃を目的とした兵器」と単純には言えない描写が数多く見られる。例えば以下のセリフは魚人島において3つの古代兵器の名が明かされたシーンである。
何の為にか遠い昔に実在した この世界を滅ぼせる程の力…
“神”の名を持つ3つの古代兵器「プルトン」「ウラヌス」「ポセイドン」(ワンピース66巻650話)
古代兵器とは「世界を滅ぼせる程の力」であるが、その目的がわからないというのである。この表現はプルトンの設計図を見たアイスバーグのセリフにも描かれている。
アイスバーグ「………!! 何の為にこんなもの…」(ワンピース37巻355話)
やはりここでも「何の為に」というセリフが用いられており、古代兵器とは単純に攻撃のための兵器ではなく、他の目的を持つであろうことが窺えるのである。ならば何故「兵器」と呼ばれるか、その理由もやはりワンピース本編に描かれている。
ミス・ダブルフィンガー「目的がどうあれ人を殺める事ができる物を……武器と……そう呼ぶのよ」(ワンピース21巻192話)
プルトン編であるアラバスタにおいて、この192話とは古代兵器「プルトン」の名が作中に初めて登場した回である。よってここでの「武器」とは「古代兵器」を暗示していると考えてよいだろう。つまり、古代兵器とは攻撃を目的としたものではなく、その殺傷能力により「兵器」と呼ばれるようになったというヒントが示されているのである。
古代兵器とは「ある目的」を持つものであるが、その強大な殺傷能力のため「兵器」と呼ばれるものである。
3つの古代兵器が存在する真の目的とは
だとすれば古代兵器の真の目的とは何か、古代兵器ポセイドンの記述を見てみよう。
人を救おうとすれば幾千もの命を救える愛の力
悪意を持てば世界を海に沈めてしまえる程の怖い力 (ワンピース63巻626話)
ここでのセリフはポセイドンを表しているので、後半部分を冒頭の「世界を滅ぼせる力」と置き換えると、古代兵器は以下のように相反する作用を持つ事がわかる。
人の命を救う力 ⇔ 世界を滅ぼす力
既に見たように古代兵器の目的が世界を滅ぼすことでないとすると、その真の目的とは「人の命を救う力」ということになる。これを裏付ける根拠として、やはり古代兵器編アラバスタに以下のようなシーンがある。
ビビ「なぜ毎日戦いの訓練をするの?」
ペル「護衛兵ですから……この国をお守りする為です 強くならなければ」
ビビ「誰と戦うの?」
ペル「さァ 戦う事より…守るのです」
ビビ「違うの?」
ペル「…目的の違いです」 (ワンピース23巻208話)
この208話のタイトルが「守護神」であることから「神の名を持つ」古代兵器を暗示していると考えると、やはりここでも古代兵器ポセイドンと同じ様に「戦う」のではなく「守る」という「目的の違い」が表現されている。
ポセイドン編空島においても「神」と名乗るエネルに対しルフィは「何一つ…!!!救わね神がどこにいるんだ!!!」(32巻298話)と叫んでいる。よって「神」とは人々を救うものであると考えられており、このことが兵器に「悪魔の名」ではなく「神の名」がつけられている所以でもあるだろう。
古代兵器の真の目的とは「何らかの脅威から人々を救う」ことであり、それ故に「神の名」がつけられている。
古代兵器編に共通するモチーフからの考察
ここからは古代兵器編のストーリーから古代兵器の目的について考えてみよう。古代兵器編にはある共通するモチーフが描かれている。それは町や国を襲う「自然災害」である。
まず、「古代兵器」という言葉が初めて登場したプルトン編「アラバスタ」ではクロコダイルの能力による砂嵐やダンスパウダーによる干ばつが深刻な問題となっていた。
そして、古代兵器「ポセイドン」の言葉が初めて登場した「空島」編では、エネルのゴロゴロの実の能力によって空島が崩壊するほどの雷という大災害が描かれた。
さらに、第2回プルトン編である「ウォーターセブン」においては、「アクア・ラグナ」という巨大な高潮が町を襲った。ここでもやはり水害というテーマがが古代兵器とともに物語の中心として描かれている。
このように古代兵器に関するエピソードには町や国を滅ぼすような巨大な災害が必ず描かれており、これは古代兵器編以外には見られない特有のテーマである。よって古代兵器は巨大な災害と密接に関係していると考えられるのである。
これまで見たように、古代兵器の真の目的が「何らかの脅威から人々を救うこと」にあるならば、その脅威とは巨大な災害であると導き出せる。古代兵器編の個々のエピソードに描かれたのは国や町、島を破壊するような災害であることから、ワンピースの物語終盤に起こる古代兵器が必要となるほどの大災害とは世界中を巻き込む天変地異のようなものとなるだろう。
その時に意味を持ってくるのがポセイドン編魚人島にてルフィの叫んだ以下の言葉である。
ホーディ「しらほしも!! 魚人島も てめェの仲間達も!!! お前ごときにゃ何も守れねェんだよ!!!」
ルフィ「いいや…全部守る!!! その為の”2年”だったんだ!!!」(ワンピース65巻639話)
古代兵器とは世界中を巻き込む大災害から人々を救済するためのものである。
以上、古代兵器に関して、ワンピース作中の記述から古代兵器全般の目的を考察した。
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